海上自衛隊の人手不足を如何に解決するか

Foresight World Watcher's 3Tips

陸自から海自への配置転換の必要性が指摘されている(C)D850/photo-ac.com

 

 今週もお疲れ様でした。今週は「人的資源」に注目。日本の防衛を担う自衛隊、とりわけ台湾有事において重要な役割を担う海自の深刻な人手不足について「解決策」を提言するFP誌の論考を紹介します。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事3本、皆様もよろしければご一緒に。

A Solution for Japan's Military Mismatch【Samuel P. Porter/Foreign Policy/3月15日付】

「日本が近い将来、あるいは遠い将来、戦争をするとしたら、中国が相手になる可能性が高い。日本政府は、中国が台湾を侵略する可能性が高まっていると見ており、近年の日本の政府高官の発言から判断すると、日本の自衛隊が米国とともに台湾を防衛する可能性が高い」
「台湾の海域では中国海軍が優勢であるため、陸軍を派遣する可能性はほとんどなく、戦闘は陸上ではなく、空と海で行われることになるだろう。このような現実があるにもかかわらず、介入を主導する重要な役割を担う日本の海上自衛隊は、慢性的な採用不調のため、深刻な人手不足に陥っている」
「日本の現在の人口問題と採用難を考慮すれば、日本政府は海上自衛隊の人員不足を陸上自衛隊からの配置転換で解決すべきだ。もし日本がこうした問題を解決するために迅速に行動しないのなら、最も必要性が高まったときに海上での防衛能力を損なう危険性がある」

 これは米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌が3月15日付で掲載した「日本の軍事的ミスマッチに向けたソリューション」の冒頭だ。筆者は日本の近現代史・軍事史の研究者であるサミュエル・P・ポーターで、彼によれば海上自衛隊の人員不足の原因は採用の失敗、および日本の防衛の優先順位にそぐわない「時代錯誤」の部隊設計が原因だという。

この記事だけをYahoo!ニュースで読む>>
カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top