ROLESCast#013
イスラエル・ハマース戦争1カ月:外交と国際関係に与える影響(下)

執筆者:池内恵
執筆者:小泉悠
執筆者:松田拓也
2023年12月21日
エリア: 中東 その他
東京大学「先端研創発戦略研究オープンラボ(ROLES)」代表・池内恵教授と小泉悠専任講師、松田拓也特任研究員が、開戦から1カ月が経ったイスラエル・ハマース戦争について語った「ROLES Cast」第13回。中東情勢はロシア・ウクライナ戦争にどのような影響を与えるか。影響力を削がれたG7、摩耗が進むアメリカ中心の世界秩序はどこへ向かうか――(11月16日収録)。ハマスの越境攻撃からの情勢変化を捉える記録として、ROLESCast#012、#013(上・下)を同時公開。

※3氏の鼎談内容をもとに、編集・再構成を加えてあります。

 

アメリカの対外関与消極姿勢は次期政権でも変わらない

小泉 ここまでの池内先生のお話に、欧米のハンドリングミスに関する指摘がありました。また、アメリカがかつてのように単独で中東の秩序を形成する能力、あるいは意思が低減しているとの指摘もありましたが、アメリカと中東を跨って見てらっしゃる松田さんは、そのあたりはどうお考えでしょうか?

 

松田 アメリカにはやはりこの10年間、アジア太平洋での大国間競争にシフトするため、できる限り中東から身を引きたいという強い意志がありました。ジェイク・サリバン米国家安全保障問題担当大統領補佐官は今回のテロ事件の1週間前に、「中東はこの20年間で一番安定した状態だ」と言ってしまった。これはやはりアメリカの本音で、イスラエル・サウジアラビア国交正常化交渉の仲介はまさにその集大成だった。アメリカが中東において平和をつくり、それをもってアメリカが中東に関わる時代はもう終わった。そういう風に見ていたからこそ、今回アメリカもかなり動揺したわけです。

 戦争の激化を防ぎたいというアメリカの意志は強く感じられるものの、今後中東にどこまで関わっていきたいのか、何を目的にするのか、そのトレードオフは何なのか、という全体の戦略は、かつてに比べて相当縮小しているように思います。

 池内先生がおっしゃったように、今回の戦争が地域全体に拡大することは考えにくい。2020年にイランのコッズ部隊の司令官カセム・ソレイマニ氏をアメリカのドナルド・トランプ政権が殺してしまった。これは本当に宣戦布告に近いような行動だったのですが、イラン側の報復はよく計算され抑制されたもので、イラクのアメリカ軍基地をミサイル攻撃しただけ、それも事前に通告があったとされています。この一件で逆説的に、イランはアメリカと戦争する気がないことが強く印象づけられました。

 今回のアメリカも、どこかで落としどころを見つけて、本音を言えば中東にはあまり関わりたくない、インド太平洋に軸足を移していきたいと考えているのは間違いない。他方、今までパレスチナ問題を他人事のように扱っていたアラブ諸国にとっても、予測不可能な形で国内世論を刺激され、体制の危機になってしまうかもしれない。アメリカはそうしたアラブ諸国の変化を見極めながら、現実的な対応をすることになると思います。

 ちょっと中東からズームアウトして、ウクライナの戦争について小泉先生にお聞きします。アメリカ議会においてイスラエル支援については超党派で合意が取れていますが、ウクライナ支援に関しては特に共和党を中心として、今回の中東情勢で支援疲れに拍車がかかってしまう状態になりそうですよね。そうなるとウクライナが不利になるという見方もありますが、果たしてロシアにとって、本当に漁夫の利を得るチャンスなのか。小泉先生は今回のイスラエル情勢がロシア・ウクライナ戦争に与える影響をどのように見ていますでしょうか。

 

小泉 ウクライナでは中東で戦争が始まる1年半前から戦争をやっています。私の背景画像は旧ソ連諸国の軍隊が使っている152ミリ砲弾ですが、アメリカの星条旗とともに「スラーヴァ・ウクライニ(ウクライナに栄光あれ)」という言葉がラテン文字で書いてある。アメリカからの寄付で買った砲弾に、ウクライナ兵がサービス精神で「アメリカありがとう」みたいな感じで書いたのでしょう。これに象徴的されるように、152ミリ砲弾もあるいは155ミリ砲弾も、アメリカの資金やアメリカの同盟国の軍需生産能力によって支えられている。特に軍需生産がだいぶ本格化してきたおかげで、今秋以降は1日あたりの砲撃数でウクライナ軍がロシア軍を上回る状況がどうやら生じている。だから、戦況は今とても苦しくてウクライナの反転攻勢は全然うまくいっていないのですが、西側の軍事援助もそれなりに豊富なので負けはしない、という状況を作れていた。

 ところが、アメリカにとってもはやイスラエルの方が重要だという話になった。あるいは、アメリカ議会を見ているとウクライナ支援について合理的な基準で反対するというよりは生理的に受け付けない、アメリカのイデオロギーに抵触していると感じる人々がいるような気がしますが、そういう声が勝ってしまっている。2本立てで行われてきたウクライナ支援のうち「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」という枠の予算が通らず一時凍結になってしまった。この状況が続くとウクライナ軍は段々じり貧になっていくと思います。

 これからしばらくは地面がぬかるんで、ロシア軍も大規模な機動を伴う作戦はしにくくなるので、ウクライナ軍は来年春の頭ぐらいまでは現状維持できるかもしれません。ですが、泥濘期が終わって地面が固まったときに、実は西側からの援助が全然来ていなくて武器弾薬がすっからかんでした、となれば、ウクライナ軍は壊滅的なことになる可能性がある。さらに言うと、来年春というのはウラジーミル・プーチンが大統領選(3月)を終えて再選を果たしている頃なので、ロシア側がこれまで世論を気にしてやってこなかったような大規模な動員、またはそれに準ずるような手段を講じる可能性もあります。

 私がもう一つ加えて気になるのは、トランプ復活があるのかどうかということです。トランプは傍から見ても相当元気な感じがしますし、ジョー・バイデンはアブラハム合意を外交上のレガシーにしようとしていたのに、かえって外交上の大失点になってしまったとの論評があります。実際そういう空気なのでしょうか。その点も含めた来年秋の米大統領選の見通しを、松田さんはどういう風に見ていますか。

 

池内 補足すると、アブラハム合意自体は2020年のUAEとイスラエルの合意ですが、そこにサウジアラビアを加えるというのが、バイデン政権の本当の売りネタでした。今回の件でそれが潰えたわけです。

 松田さん、どうでしょうか?

 

松田 大統領選がどのように展開するか論ずるには時期尚早ですが、この10年間アメリカは対外関与に非常に慎重で、これはバラク・オバマ政権から脈々と続いている現象です。中東においてイスラエルとアラブ諸国の国交正常化を進める政策も、池内先生ご指摘のようにトランプ政権から始まったことで、それがバイデン政権でも引き継がれ、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化が集大成になるという形だった。中東から足を洗ってアメリカの対外関与をある程度抑えつつ、大国間競争に集中し、アメリカ国内経済を立て直すというのが、まさにバイデン政権が掲げた「中産階級のための外交」でした。

 こういう外交と国内政治のバランスは、トランプ政権時に過激な形で表出されたので国際社会が驚いたのですが、政権によってレトリックは変わりつつも、この10年間ずっと続いていることなのです。ですから、おそらくどちらが勝ったとしても、中東やウクライナなど対外的な支援を長期間継続することへの拒否感は、共和党が中心とはいえ、やはりどちらの政党にもある。それをある程度折り込んで見ていかないといけないと思います。

 アジアに軸足を移していると言いつつも、現在イラクに2000人、シリアにも900人規模の米兵がいて、計5万7000人程度の米軍関係者が中東にいる。彼らに対してイランがミサイル攻撃をした場合には、やはりアメリカは自国の兵士や関係者を守るために中東にリソースを割くことになるのですが、それでも限定的なものに留まるでしょう。アメリカは対外関与を控え目にして、あくまで国内経済を重視する。政権が変わろうと、この流れはもう変わらない。ここは今後の国際関係を見る上でポイントになると思います。

落としどころは2国家解決以外にない

小泉 松田さんにもう一つ伺いたいのですが、確かに今おっしゃったようにアメリカ人の「対外関与にはうんざりだ」みたいな気持ちは相当強くて、民主党だろうが共和党だろうがおそらくその傾向が続いていくでしょう。その中の最も極端な例がトランプだと思うのですが、ただ同時に、「ロシアに好き放題されても別にいいよね」と思っているわけでもないと思うんですよね。あるいは中国に間違ったメッセージを送ることになってもまずい、という意思もあるでしょう。

 中露に好き勝手させないというのも国益ですし、アメリカ自身が世界中で血を流して失血死するのは嫌だという素朴な気持ちも国益ですよね。両方ともアメリカの国益で、現状では両者の中間でバランスしているのがウクライナに対する軍事援助で、それも徐々に縮小していくという話かと思います。

 結局、アメリカが自国の支出を抑える方向に動くと、その分、中露が好き勝手やる余地が広がっていく。それをどこまでアメリカが許容範囲と見るのか。例えばロシアがウクライナを席巻してキーウまでロシア軍の戦車部隊が到達、ヴォロディミル・ゼレンスキーが引きずり下ろされる、という事態になっても、アメリカは本当に指をくわえて見ているのか。仮にトランプが大統領になったとして、本当にトランプはそこまで許すでしょうか。「いや、あいつなら許す」という人もいますけど(笑)。

 そのあたりの本当の空気感までわからないと、アメリカの許容範囲はおそらく読み切れないと思います。ロシアのレッドラインの話は僕らも散々してきたのですが、アメリカのレッドラインはどの辺にあると思いますか?

 

松田 ウクライナに関しては、消耗戦になって支援疲れもある一方で、負けてしまうのもアメリカにとってまた困る。バイデン大統領は10月、イスラエルとウクライナ両方に支援が必要だとして、「今が歴史の転換点だ」というスピーチをしました。両方とも現状打破勢力によって民主国家が攻撃されたという点で同列に並べたのですが、ちょっとこじつけのようなロジックになってしまった。

 ウクライナについてアメリカが今後何をすべきかと言えば、やはりどこかで政治的な交渉をもって休戦、あるいは停戦という落としどころを見つけなければならない。よく専門家の間で言及されるのは朝鮮戦争モデルです。朝鮮半島も結局は南北分断されているので理想的な状態ではない。だけど、少なくとも一定の平和が担保され、南側の韓国は民主主義と自由を謳歌し、経済も発展した成功国になった。完璧ではない、理想ではないけど、許容範囲内の現実というものを作り出したわけです。

 アメリカはゼレンスキー大統領の強い意志、ウクライナ国民の意思を尊重して支援していますけど、早い段階で交渉すべきだったのかもしれないし、今後そういう落としどころを模索すべきなのかなと思います。イスラエルとハマースの戦争においても、イスラエルと話し合いながら落としどころを考えるのがアメリカの現実的な考え方になるかと思います。負けてもらっては困るけど、資源は有限なのでずっと支援し続けられるわけではない。早い段階で正式な交渉を模索するのが、アメリカのリーダーシップの一つの重要なポイントになります。

 

小泉 なんだか連立方程式を解いているような感じですね。相反する目的を抱えた複数の戦争の間で、アメリカも頭がこんがらがってしまったような感じがします。

 

池内 外交といえば、11月7日~8日にG7外相会議が東京で行われました。これについては、イスラエルの問題を通じてG7の影響力が大きく削がれた、あるいは元々なかったということをさらけ出した面を指摘しなければなりません。本来であれば私も「ここで議論されて決まったことが将来現実になる」と言いたいところですが、誰もそんなこと信じていないわけですよね。G7メンバー国自身が信じていないし、それ以外の国はそもそも「G7の外相会議なんてあったの?」という程度の認識しかないと。

 これは別にアメリカが弱くなったというようなことではないにしても、その意志と能力に疑念が生じている。能力は潜在的にはものすごく巨大なはずですが、それを例えば中東で使う意志がない。あるいはウクライナについても、使う意志が一部にはあるにしても、そして実際にそれをかなり有効に使って、アメリカが直接関与しない形でウクライナがロシアと対等に戦えるところまで一時的に持ってきているにしても、結局アメリカには内政上の限界があって、一定期間以上は続かない。そうなると結局のところ、ウクライナも近い将来あるいは少し遠い将来には大幅な妥協をしないといけない。

 そういう見通しが立った時点で、世界中がさーっと離れていってしまう。そこでアメリカの意志、決定力が弱いということが明らかになってしまう。

 そのような究極的な決定力は、アメリカ国内の事情によって左右されることが露呈している。しかもG7というアメリカにくっついている他の国は、アメリカの内政にほとんど関与できない。それに対して、むしろ魂の部分でアメリカと結びついているイスラエルは、世界全体のことはともかく、自分の国の生存に関してだけはアメリカの内政に関与できてしまっている。

 そうなると「G7ってどれだけ重要なんですか」ということにもなってきます。そんな中でG7がかろうじてコンセンサスとして出せた結論が、「やっぱり2国家解決しかない」というものだった。これは決定力がないにしても重要です。もはやG7主導ではイスラエル・パレスチナ問題を解決できない。では誰にやってもらうかというと、周辺諸国、つまり中東地域の有力な国々です。今、明確には言えないけれども、その下交渉をしている。この交渉の中で絶対に必要なのは、たとえ今イスラエル側が認めてないにしても、最終的な落としどころは2国家解決なのだとアメリカや日本も含めたG7諸国が約束することです。

 そうしないと例えばエジプトやヨルダン、UAE、サウジアラビア、あるいはトルコといった周辺の国々は協調してくれない。それらの国々からすれば、また難民を押し付けられる、国際管理と称して難しいガザ統治までやらされる、もう勘弁してほしい、というわけです。例えば、一時的にガザを国際管理する形で収めなければ事態がもっとひどいことになるなど、どうしてもやらないといけない状況になれば、やるかもしれない。だけど永久にやるわけじゃない。やがて2国家解決に持ち込むための限定された、そしてアメリカなどが最後まで責任を持つプロセスの一部だということをG7が明確に約束しコミットしない限り、周辺の国々は関与しないでしょう。今は空証文に見えたとしても、そこまで考えた上での2国家解決だという約束がなければ、他の解決策も提示することができないでしょう。

 これはいまの時代が、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々に、かなりいろいろなことをやってもらわないといけない時代だということを示しています。最低限それらの国々が必要とする条件を出さないと、協力してもらえない。

 しかも2国家解決はかなり筋の通ったものだったのに、イスラエルが認めないから、イスラエルの方が強いからという理由で反故にしようという動きが正直あった。周辺諸国はその動きを受け入れていたわけではなかった。事件から1カ月経った今、それを改めて外交の場で思い知らされ、確認させられているというのがアメリカとG7側の現状です。

 そういう意味で、実は初めから2国家解決という落としどころはあるんです。にもかかわらず、それを落としどころとして受け入れないで済むのではないかという甘い期待があって、今回それが打ち砕かれた。世界のパワーバランスがじわじわと変わっていく中で、多くの人たちが認める落としどころに持っていかざるを得なくなる。そういう長いプロセスの一部だと私は見ています。

 

小泉 国際的な構造の変化と域内のパワーバランスの変化という、大きい波と小さい波がシンクロして、時代にピタッとはまってしまったのが今回のイスラエル・ハマース戦争なのかなという感想を持ちました。

アメリカとイスラエルの魂は同じでも、時計が違う

池内 今回、戦闘開始から1カ月ということで話をしましたが、これからの1カ月は年末に向かいます。11月23日のサンクスギビング(感謝祭)の祝日から12月のクリスマス休暇までは、外交が動くというか、急がないといけない時期です。みんな休暇に入るから、休みに戦争の話とか持ち越したくない。アメリカ合衆国の大統領がきっちり世界を見渡して、悲惨な戦争が起こっていれば何とか緩和して、それなりにうまくいっているように見せないといけない。しかも年が明ければ、11月5日投票の、バイデン大統領が再選を目指す選挙がある。そんな時期にイスラエルの問題がずっと続いていると、現職の大統領にとってどんどん再選の可能性が下がる。アメリカからすればもう今年の11月か12月、遅くとも年明けの辺りで、すぐ外交攻勢を強めないといけない。そういう切り替えの時期です。

 ところが現場においては、イスラエルはまだまだ軍事作戦をやりきっていないと考えている。軍事作戦の完遂には何カ月もかかるし、イスラエルが完全にハマースを制圧した状態を維持するためには、下手すると何年も占領しないといけない。そういう時間軸でイスラエルは見ている。つまりアメリカとイスラエルという同盟国と呼ばれる両国は、魂は一緒だけど時計が違う。サンクスギビングからクリスマスあたりには何とか事態を改善させたい合衆国大統領。まだ作戦の序盤に過ぎない、来年1年間ぐらいはずっと戦争していてもおかしくない、何年間か占領しないと状況を維持できない、と考えるイスラエル。両者の間に大きな食い違いがある。

 イスラエルと国交正常化を目指していたサウジアラビアもバイデン政権とは元々かなり対立していて、基本的には「来年の選挙でバイデンがいなくなるまで待つ」という政策を取っていた。これと同じように、色々な勢力が政権同士の関係が良くないということでアメリカに対して面従腹背している。そういう中で紛争が長引き、アメリカの決定力と信頼性が落ちる、という流れになっている。イスラエルもサウジアラビアもアメリカの同盟国ですが、それでも思惑の違いや政治体制の違いによって、結局はアメリカ中心の世界秩序がどんどん磨耗していっている。

 

小泉 ありがとうございました。直近の話から、相当射程の長い、将来を予感させるような話になったかなという風に思います。

 

池内 はい、ちょっと長めになりましたけれども、皆様お楽しみいただきましたでしょうか。今後もROLESCastでは、タイムリーに、現在の外交安全保障に関する問題、その問題が国際社会に与える長期的な影響、そして日本自身の選択にどう関わってくるのかについて、発信していきます。

 

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
執筆者プロフィール
松田拓也(まつだたくや)
東京大学先端科学技術研究センター特任研究員。専門は安全保障、国際政治、アメリカ外交など。ロンドン大学キングスカレッジ戦争学部より博士号、ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より修士号を取得。慶應義塾大学法学部政治学科卒。ノートルダム国際安全保障研究センターのモーゲンソーフェロー(米)、ジョージワシントン大学安全保障紛争研究センター客員研究員(米)、政策研究大学院大学客員研究員などを経て、2023年10月より現職。
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