Weekly北朝鮮『労働新聞』 (71)

6・25「米帝反対闘争の日」大会にロシアは参加、中国は不参加か(2024年6月23日~6月29日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年7月1日
「米帝反対闘争の日」平壌市大衆大会では、「米帝侵略者どもを消滅させよう」との横断幕が掲げられた(『労働新聞』HPより)
朝鮮戦争勃発の日にあたる6月25日は「米帝反対闘争の日」とされ、平壌市内で10万人規模の大衆大会が行われた。映像ではロシアとベトナムの駐朝大使の姿が確認できるものの、中国大使は不参加だったようだ。強純男国防相の談話では、ウクライナのゼレンスキー大統領を「(米国の)傀儡」扱いする一方、北朝鮮が「ロシアの軍隊と人民」の側に立つことを明言している。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 6月27日付は、第1面全面を使って姜孝心(カン・ヒョシム)記者による政論(政治論評)「共産主義へ行こう!」を掲載した。同記者の署名記事は2015年10月から頻繁に見られたが、今回は論説委員クラスが執筆する政論に初めて抜擢された。

 政論では、赤地に白字で「共産主義へ行こう!」と書かれたスローガンを見ると、「清らかで澄んだ新しい空気と高潔な志が全身に流れ込み、新たな人間として生まれ変わるようだ」としてその重要性が説かれた。白頭(ペクトゥ)山の麓にある三池淵(サムジヨン)市に初めて設置されたこのスローガンは、「喜びと悲しみを共にすること」を意味しているとされ、それは「このうえなく幸せで美しい人間関係」「人民が描く社会の最も高い境地」だと描写された。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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