Weekly北朝鮮『労働新聞』
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新たな幹部名簿を公開、ベラルーシと親善協力条約を締結(2026年3月22日~3月28日)

執筆者:礒﨑敦仁 2026年3月30日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
北朝鮮とベラルーシは朝露蜜月に伴って急接近していた[金日成広場での歓迎式典に出席したルカシェンコ大統領(右)と金正恩国務委員長=2026年3月25日、北朝鮮・平壌](C)EPA=時事
最高人民会議第15期第1回会議は金正恩を国務委員長に再推戴し、前総理の金徳訓は新設ポストである第1副総理に任命された。ベラルーシのルカシェンコ大統領訪朝に関する記事では、留任した崔善姫外相が金徳訓より先に紹介された。金与正総務部長の対日談話は日本に秋波を送ったのではなく、日本に対して北朝鮮政策の変更を求めるものとなっている。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 

金正恩国務委員長が満場一致で再選

 3月22日と23日の両日、最高人民会議第15期第1回会議が開催され、非代議員の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も出席した。高吉先(コ・ギルソン)最高人民会議常任委員会書記長は開会の辞において、今回選出された代議員687人の内訳は、工業部門201人、農業部門100人、国土・山林・都市経営・サービス部門15人、科学・情報産業・教育・保健医療・文学芸術・出版報道・スポーツ・革命事績部門70人、政権機関170人、社会団体10人、友党・宗教団体6人、党機関53人、武力機関62人であり、そのうち女性代議員は108人であると発表した。女性代議員は全体の15.7%であり、低い水準に留まっている。また、朝鮮総聯(在日本朝鮮人総聯合会)から選出された代議員は5人である。

 第14期まで最高人民会議常任委員会委員長を務め、第15期第1回会議準備委員会委員長である崔龍海(チェ・リョンヘ)は、金正恩の指導力を称えながら最高人民会議での業務を振り返り、金正恩の国家建設思想と指導に一心忠誠をもって従う道に祖国の限りない繁栄と強大さがあり、人民の福祉増進があるというのが絶対の真理だと発言した。それに対し、会議は崔龍海の貢献に謝意を示したという。

 そして、最高人民会議の議長として趙甬元(チョ・ヨンウォン)代議員、副議長として金亨植(キム・ヒョンシク)代議員、李善権(リ・ソングォン)代議員が選出され、趙甬元が金正恩の指導と憲法に忠実に、朝鮮労働党の人民大衆第一主義政治の実現と国家の富強発展のために滅私奉仕するとの決意表明を行った。

 会議の議題は、①国務委員長の選出、②国家指導機関の選出、③最高人民会議部門委員会の選出、④朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法の改正、⑤第9回党大会が提示した国家経済発展5カ年計画の徹底的遂行、⑥2025年国家予算執行の決算と2026年国家予算である。

 国務委員長の選出については、李日煥(リ・イルファン)代議員が提案を行い、満場一致で金正恩が再推戴された。今回公表された幹部名簿は次の通りである。

 

国務委員会

委員長 金正恩

第1副委員長 趙甬元

副委員長 朴泰成(パク・テソン)

委員(11人) 金才龍(キム・ジェリョン)、李煕用(リ・ヒヨン)、鄭京擇(チョン・ギョンテク)、金成男(キム・ソンナム)、朱昌日(チュ・チャンイル)、崔善姫(チェ・ソニ)、努光鉄(ノ・グヮンチョル)、金徳訓(キム・ドックン)、李昌大(リ・チャンデ)、方頭燮(パン・ドゥソプ)、金哲元(キム・チョルウォン)

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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