
三畳紀に骨を砕いて食べていた大型肉食動物スモックの化石化した糞(コプロライト)とスモックのイメージ図 (C)Grzegorz Niedzwiedzki/Handout via REUTERS
[ロイター]元々、恐竜はあまり目立たない生き物だった。恐竜が初めて現れたのは約2億3000万年前のことだ。当時繁栄していたのは、陸や水辺で生きた大型ワニの親戚、そしてゾウほどの大きさだった哺乳類の親戚や、装甲と四肢を持つ爬虫類をはじめとするさまざまな草食動物だ。
そのような動物のそばでひっそりと生きていた恐竜は、約2億年前には支配的な存在となる。その頃までに、主な生存競争の相手は絶滅していた。
恐竜の糞や嘔吐物に関するこの新たな研究は、11月27日に学術誌『Nature』に発表された。調査に使われた化石は、大きな転換期となった三畳紀の化石が数多く見つかっているポーランドの地域から発掘された。
「恐竜の台頭をまったく新しいアプローチで研究した。食性が分かる化石を分析し、恐竜が現れてから最初の3000万年における生態学的役割を推定した」とスウェーデン・ウプサラ大学の古生物学者であり、論文の筆頭著者であるマルティン・クヴァルンストレム氏は述べた。
初期の恐竜や近縁種は昆虫や魚など、その場で得やすいものを食べる日和見的な捕食者だったが、後に食性が特化した大型の肉食恐竜や草食恐竜へと進化していった。草食恐竜は、気候が湿潤になり新たな植生が現れた際、他の草食動物よりも新たな植生のもとで生きることに適応していたのだ。

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