
カリフォルニア州アルタデナのイートン地区で、屋根の後ろから炎と煙が立ち上がる。住民は避難を余儀なくされている[2025年1月8日](C)REUTERS/David Swanson
[ロイター]いまやカリフォルニアには、1年を通じて山火事のリスクがあると考えられている。アメリカ西部の州で発生す山火事は、乾燥や気候の変化に伴い、年を追うごとに焼損面積が拡大している。
「気候変動により、地域ごとの山火事のパターンが変わりつつある」と、シェフィールド大学生物学部のキンバリー・シンプソン氏は述べた。
ロサンゼルス一帯では、1月7日の夜に強風と乾燥の警報が発令されてから、ものの数時間で市内の一部が炎に包まれた。火の粉は高速道路を越え建物の屋根へ火が移り、市内の随所にあるヤシの木は、まるで暗闇の中で着火されたマッチ棒のように、夜空を背景に燃え立っていた。
山火事は食い止められる気配もなく激化し、8日の朝までには、数万人が避難する事態となった。
強風の影響
ロサンゼルスは南カリフォルニアの砂漠の一角に位置し、強風や温暖で乾燥した天気は珍しくない。「サンタアナの風」と呼ばれる乾燥した風が太平洋に向かって定期的に吹くこともよく知られている。
冬の乾燥の中で強風が発生するのはよくあることだとイギリス気象庁のブレント・ウォーカー氏は話す。しかし、今回山火事を劇化させているのは、上記のサンタアナの風ではない。コロラド川下流で発生した前例の稀な嵐から吹き込んだ強風が、「山岳波」と呼ばれる現象で強化されているのだ。

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