医療の悩み相談、AIに優位性なし

2026年3月7日
タグ: 健康 AI
(C)REUTERS/Dado Ruvic
「病気の症状についてAIに相談することは、従来のウェブ検索などと比べて、的確な判断にはつながらない」。そのような研究結果が、学術誌『Nature Medicine』で発表された。

[ロンドン発/ロイター]健康や病状についてAI(人工知能)やチャットボットに相談することが最も役に立ち、安全であるという根拠はこれまで見つかっていない。だが研究チームによれば近年、AIやチャットボットへの相談は増えている。

 研究は、オックスフォード大学インターネット研究所の研究者を中心に、医師グループと協力して行われた。研究チームは、風邪のような一般的な症状や生死に関わる脳出血など、幅広い医療シナリオ10種類に関する相談をAIで試した。

 まずは研究の参加者を使わず、研究者が作成した症例シナリオをAIに解かせた場合、OpenAIのChatGPT-4o、MetaのLlama 3、CohereのCommand R+の3つの大規模言語モデルは、病気を94.9%ケースで特定できた。また「救急車を呼ぶ」「医療機関で受診する」など、適切な行動を導き出せた割合は平均56.3%だった。各社はコメントを求める要求に応じていない。

ポテンシャルと実状のギャップ

 研究チームはさらに、英国で1298人の参加者を募り、症状を調べるためにAIを使うグループと、ウェブ検索や英国国民保健サービス(NHS)のウェブサイト、これまでの経験などを含む従来の方法を使うグループに分け、次に取るべき行動を判断してもらった。

 その結果、AIを使った参加者が病状を適切に特定できた割合は34.5%未満であり、正しい行動を導き出せた場合は44.2%未満であった。従来の手段を使った対照群よりも優れているとは言えない結果である。

 この結果はAIの潜在能力と実際の利用状況の間に「大きなギャップ」があることを示す

カテゴリ: 医療・サイエンス
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