バルト三国とロシア 今そこにある関係の微妙さ

執筆者:浅井信雄 2001年9月号
エリア: ヨーロッパ

 バルト三国の一つ、ラトビアの首都リガはさる八月十七日から三日間、建都八百年祭の珍しい祝賀に沸いた。八百年前の一二〇一年、不毛のこの地に布教に来たドイツ人司教が教会を建てたのがリガの起源だという。 祝賀にドイツ大統領やスウェーデン国王が参列したのは、「古くからの歴史的関係の深さ」を示すが、十年前まではソ連邦の構成仲間だったロシア大統領が、参列せずに祝辞だけを寄せたのは、ラトビアとロシアの「今そこにある関係の微妙さ」を反映している。 バルト三国は北からエストニア、ラトビア、リトアニアと三段重ねの形だが、主として言語の違いから三種類の民族が各国民の主体をなしている。

カテゴリ: カルチャー
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