プーチンが切り捨てる? 抵抗勢力=共産党

執筆者:Foresight 2002年5月号
エリア: ヨーロッパ

 旧ソ連共産党の後身であるロシア共産党が、下院ですべての委員長ポストを失い、目を覆わんばかりの凋落ぶりを見せている。共産党支配は既に「過去の遺物」とはいえ、ロシアでは依然として議長ポストも握る下院第一党だけに、世代交代による「ニュー共産党」への脱皮を迫られている。 共産党はこれまで、経済委員会など主要な九委員会で委員長ポストを確保していたが、プーチン政権の与党の「統一」などが、ポスト再配分の決議を仕掛け、これに改革派が乗った形で四月三日に決議が採択されてしまった。この結果、共産党に残されたのは、観光委員会などわずかに二委員会の委員長職だけ。誇りを傷つけられたジュガーノフ共産党委員長は、これら二ポストの放棄と、「影の内閣」の設立を宣言し、政権との対決姿勢を鮮明に打ち出した。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f