今年九月十八日、AOLタイム・ワーナー社は、企業名からAOLをはずすと発表した。それが何を意味するのかは、本書『スティーリング・タイム:スティーブ・ケース、ジェリー・レビン、そしてAOLタイム・ワーナーの崩壊』を読むとよくわかる。世紀の巨大合併は、音を立ててついに崩壊したのだ。 二〇〇〇年一月、時価総額三千二百億ドルという米史上最大の合併に合意したAOLとタイム・ワーナーは、未来のメディア企業を創造すると高らかに謳いあげた。だが、まともな人間なら誰でも思ったはずだ。「いったい何を考えているんだ」と。『ワシントン・ポスト』紙の経済記者である著者のアレック・クラインも当初から懐疑の念を抱き続けた一人だった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン