オバマ米大統領がエジプトに派遣したフランク・G・ウィズナー特使(72)。日本のメディアは何も気付かなかったが、彼の父も国務省の外交官出身ながら、1950年代に米中央情報局(CIA)の秘密工作機関、政策調整部(OPC)の初代部長として活躍した有名な「荒業師」だった。中国共産党政権の打倒工作やスターリン暗殺なども計画したことがあった。
なぜその息子が、米中東戦略の要、エジプトの危機に当たって特使を任ぜられたのか。彼がエジプト大使を務めたのは1986~91年の5年間。そのほか、ザンビア大使やフィリピン大使、インド大使なども務めているが、恐らくムバラク大統領の右腕でCIAとの密接な関係で知られるスレイマン副大統領(前総合情報局長官)に近いからではないか。エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は米国との関係が良くない。オバマ政権は、親米政権の維持に苦慮している。
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