共和党穏健派追い落としを狙う茶会党勢力

執筆者:足立正彦 2011年2月14日
エリア: 北米

 米国中西部のインディアナ州は全米でもティーパーティー(茶会党)勢力の影響力が最も強固な地域の一つである。同州選出で上院外交委員会委員長などを務めた穏健派共和党上院議員のリチャード・ルーガーを、来年実施される同州共和党上院議員予備選挙で追い落とそうとする動きが、茶会党勢力の間で最近活発化してきている。インディアナ州で多数の茶会党活動家らが既にルーガーの対抗馬となる保守派候補擁立に向けた動きを明確にしているのである。先月下旬には70以上もの州内の茶会党関連団体の指導者らが一堂に会し、共和党上院議員予備選挙でルーガーに対抗する保守派候補の一本化を図り、茶会党勢力として一致団結して保守派候補を支持していくことを誓い合っている。茶会党勢力の支持を受けているインディアナ州財務長官のリチャード・マードックは、共和党上院議員予備選挙への出馬の意向を今月明らかにしている。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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