堕ちゆく世界の迷走
(22)
世界が感じ始めた「欧州の日本化」という現実
これは形状記憶合金とでもいうべきなのだろうか。消費税率を段階的に10%に引き上げる消費増税法案に、自民、公明の両党が歩み寄り民主党との3党合意が成立した。決められない政治という常套句をよそに、日本の政治は財政再建に一歩を踏み出した。野田佳彦首相はさぞや鼻が高いだろう。 1994年に成立した自社さ3党連立を想起させる今回の3党合意。合意を促した影の主役は2人いる。橋下徹大阪市長と小沢一郎元民主党代表だ。橋下市長は「消費税は地方財源に」という立場から、小沢元代表は「増税は景気悪化を招く」との立場から、それぞれ消費増税に反対してきた。

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