中国に実効支配されるロシア極東

執筆者:名越健郎 2012年8月7日
エリア: ヨーロッパ アジア

 7月21日にNHK-BSで放映されたドキュメンタリー番組「大地は誰のものか-ロシアを耕す中国人」は、過疎化が進むロシア極東部に中国農民が進出し、広大な農地を耕していることを伝える興味深いルポだった。

 旧ソ連時代、バイカル湖以東の極東の人口は約900万人だったが、ソ連崩壊後の生活苦に伴う人口移住で、現在は620万人まで低下した。2015年には500万人まで低下するとの予測もある。このため、極東では膨大な休耕地が生まれ、そこに農地の少ない黒竜江省など中国東北部の農民が大量に押し寄せて大豆や野菜の収穫をしていることを伝えた内容だ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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