長期間にわたり膨大な政治資金が投入されて繰り広げられてきた米国大統領選挙キャンペーンもいよいよ残り1日のみとなった。11月6日に有権者の審判が下される。本稿が大統領選挙前の最後の寄稿となる。筆者が米国東部出張から帰国した約40日前の9月下旬時点では、民主、共和両党関係者や有力シンクタンクの専門家らの間でも現職バラク・オバマ大統領の再選濃厚との見方が支配的であった。だが、10月3日にコロラド州デンバーで行なわれた第1回大統領候補討論会でミット・ロムニー共和党大統領候補がオバマ大統領の経済失政を厳しく批判しつつ、政権交代の必要性を有権者に訴えたことで従来までの「オバマ優位」の構図は大きく変化した。各種世論調査では「激戦州」ではわずかながらオバマ大統領が優位な立場にあるものの、両候補は接戦のまま投票日になだれ込む形となっている。
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