堕ちゆく世界の迷走
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野田首相が開けた師走選挙というパンドラの匣
政治の世界にはすべてが一点に凝縮される「真実のとき」がある。11月14日の野田佳彦首相と安倍晋三自民党総裁による与野党党首討論は、さしずめその瞬間であろう。首相自らが衆院解散を公言し、虚を突かれた安倍総裁がオロオロする。テレビは執拗にそのシーンを流し続けた。 自爆解散、いや真珠湾解散だろう。12月16日の総選挙で絶滅危惧種扱いされていた民主党が、消えてなくなる可能性は小さくなった。それどころか、党首討論などで得点を稼げば、民主党は100議席割れは回避できるのではないか。80ないし60といった議席が囁かれていたことを考慮すれば、野田氏の作戦勝ちである。 野田首相が年内選挙に打って出たのは、輿石東幹事長らによるクーデターの機先を制し、第3極と言われる勢力が態勢を整える前に動いたという面が大きいだろう。あるいは、環太平洋経済連携協定(TPP)など、各党が割れている争点を打ち出すことによって、政界再編の主導権を確保しようとしているのかもしれない。

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