「共和党員・ヘーゲル氏」国防長官登用の意義

執筆者:足立正彦 2012年12月17日
エリア: 北米

 大統領選挙キャンペーン中、ミット・ロムニー共和党大統領候補や有力共和党上院議員らは、今年9月11日に発生したリビアの在ベンガジ米国領事館襲撃事件を、「反米デモが拡大して事件に至った」とするオバマ政権による一連の説明は、実際にはテロ事件であったことを隠蔽し、米国民を欺くものであったとの批判を繰り返していた。オバマ大統領の再選後、第2期オバマ政権の次期国務長官候補にスーザン・ライス国連大使の名前が浮上すると、オバマ政権を代表する形で在ベンガジ米国領事館襲撃事件についてテレビ出演などを通じて説明を行なっていたライス氏の次期国務長官指名に対し、最も厳しい姿勢を示したのはジョン・マケイン上院議員(共和党、アリゾナ州)とリンゼイ・グラム上院議員(共和党、サウスカロライナ州)の2人であった。だが、ライス氏はオバマ大統領に自らを次期国務長官の検討対象から外すよう今月13日に申し出て、大統領もこの申し出を受理。その後、第2期オバマ政権の外交、安全保障関連の主要閣僚ポストである次期国務長官、国防長官について、新たな動きが顕著となりつつある。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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