グローバル企業を目指す「関西ペイント」の果敢な挑戦

執筆者:平野克己 2012年12月28日
エリア: アフリカ

 今年最後に元気の出る話題をひとつ。

 先日、とある会合で、関西ペイント株式会社の石野博専務からお話を伺うことができた。同社は2011年に、南アフリカ最大手の塗料・塗装会社フリーワールド・コーティングスの買収に成功した。

 このM&Aは敵対的買収であった。フリーワールド・コーティングス社ではマネージメント・バイアウト(MBO)が成立する直前だった。MBOを指揮していた当時のCEOは政界とのつながりも持つ人物だった。関西ペイントはこれに対して、新しい経営方針を提示することで戦局を開いたのである。

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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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