饗宴外交の舞台裏 (177)

国賓訪問のブラジルをフランスはなぜ「2番手のワイン」で饗したか

 エリゼ宮を歩くルセフ大統領(手前左)とオランド大統領(同右)。後ろはパウラさん(左)とトリルべレールさん(右)。(c)AFP=時事
エリゼ宮を歩くルセフ大統領(手前左)とオランド大統領(同右)。後ろはパウラさん(左)とトリルべレールさん(右)。(c)AFP=時事

 フランスのオランド大統領(58)が昨年5月の就任後、初めての国賓として迎えたのはブラジルの女性大統領ジルマ・ルセフ氏(65)だった。昨年12月11、12の両日、ルセフ大統領はエリゼ宮に赤絨毯で迎えられた(国賓訪問のときだけ表玄関に赤絨毯が敷かれる)。訪問の中で最も儀礼度の高い国賓訪問には「友好を最高レベルで確認する」という象徴的な意味があるが、ブラジル側にはフランスと提携強化に乗り出す差し迫った思惑があった。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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