ローマ法王は身内としか食事を共にしない。身内とはバチカン(ローマ法王庁)の枢機卿、教会の神父、神学生といったカトリックの関係者である。毎年、数多くの国の首脳が拝謁に訪れ、新任の大使が信任状を奉呈するが、法王がそのために饗宴を開くことはない。
また逆に法王が外国を公式訪問しても、その国の首脳主催の歓迎式典でシャンパンのグラスを手にすることはあれ、食事のもてなしを受けることはない。世俗世界の人とはテーブルを囲まないのが法王の鉄則だ。

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