元英首相マーガレット・サッチャーの葬儀は、ロンドン中心部のセントポール大聖堂で執行された。内外の要人2300人が参列し、エリザベス女王も出席した。
女王が元宰相の葬儀に出た先例はロイド=ジョージ(1945年)とチャーチル(1965年)の2度だけである。前者は第1次世界大戦で、後者は第2次世界大戦で、いずれも英国の国運を担って戦った(そして勝った)功労者である。2人に比べると、サッチャーが1982年にアルゼンチンと戦って守りきったフォークランド諸島という戦場はいかにも小さい。
しかしサッチャーが勝ったのは南大西洋の小島を賭けた戦争だけではなかった。はるかに大きい「東側」を相手にした、世界を二分する東西冷戦という戦争があった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン