被災地を訪れた「オバマ大統領」「クリスティ州知事」それぞれの狙い

執筆者:足立正彦 2013年5月30日
エリア: 北米

 昨年10月28日に米東海岸沿岸に上陸した超大型ハリケーン「サンディ」は、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ニューイングランド地方などの広域に甚大な被害をもたらした。ニューヨーク・マンハッタンでは広範囲で浸水し、地下鉄をはじめとする公共交通機関は完全に麻痺し、ニューヨーク証券取引所も2日間取引停止に追い込まれた。11月4日に予定されていたニューヨーク・シティ・マラソンも被災者に配慮し、主催者は中止を決定し、「サンディ」は社会・経済活動に重大な被害をもたらしたのである。政治面でも、超大型ハリケーンは11月6日の米国大統領選挙の投開票の約10日前に来襲したため、オバマ、ロムニー両陣営ともに選挙キャンペーンの一時停止を余儀なくされ、大統領選挙への直接的な影響についても注目されたため、日本でも記憶している方は多くいると思われる。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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