やや旧聞に属するが、6月6日のサンパウロのバス料金の値上げ(約10円)反対に端を発する大規模な抗議行動がブラジルで起きた。全土で200万人に達する市民が街頭を占拠する、近年のブラジルでは経験のないものだった。来年のサッカー・ワールドカップを前にしたコンフェデレーション・カップが開催されたさ中に起きただけに、国際的スポーツ・イベントそれ自体にも批判の矛先が向けられ、注目された。市民のこうした抗議活動は、新興経済圏として台頭した中南米が景気の後退局面を迎える中で発生しており、7月にはペルーでも同様の抗議行動が起き、両国の政権の支持率が30%台まで急減するなど、政治的な影響を及ぼしている。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン