政治をゼロから考える (24)

日本において政治システムを変えることは可能か

執筆者:宇野重規 2013年8月26日
エリア: アジア

質問 「現在の日本において、政治システムを変えることは可能ですか」

 

 先日、エジプト政府が軍によって倒され、憲法が停止されました。関連して、次のような質問が届きました。「日本では、政治システムを根本的に変更することは可能なのでしょうか。国民の不満が現行の政府を倒すといったことは、政治システムが不安定だった過去の国家や、発展途上国でしかありえないのでしょうか?」。

 なかなか難しい質問です。エジプトで今回起きたのはいわゆるクーデタという事態です(クーデタとは何か、そして革命とどのように異なるかについては、後ほど論じます)。現在の日本においてクーデタが生じうるか、そしてそれが望ましいことかと問われれば、いずれもNoとしか答えようがありません。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
宇野重規(うのしげき) 1967年生れ。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。東京大学社会科学研究所教授。専攻は政治思想史、政治哲学。著書に『政治哲学へ―現代フランスとの対話』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトン特別賞)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社、サントリー学芸賞)、『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書)、共編著に『希望学[1]』『希望学[4]』(ともに東京大学出版会)などがある。
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