金融庁が目論む「ペイオフ実戦演習」計画

執筆者:鷲尾香一 2005年9月号
タグ: 日銀 韓国 日本

大手銀行の不良債権問題が峠を越え、金融不安が後退した今こそ、ペイオフの実施が眼前に迫っている。「ペイオフがいつ実施されても不思議ではない。当局は常にそれを念頭に置いている」 ある金融庁関係者は断言する。 ペイオフが全面解禁された今年四月一日以降、金融機関の経営不安は影を潜め、ペイオフ実施は掛け声だけの絵空事だったかのように、マスコミの話題から掻き消えている。だが、「机上の空論ではなく、経験則を得る必要がある」(同)との強い思いから、金融庁は今も実施の「対象」と「タイミング」を検討している。 その背景には、二〇〇三年末に発生した「佐賀銀行事件」がある。【緊急事態発生】と題する一通のメールに端を発した金融不安は、金融庁に強烈な教訓を与えていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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