尋問は「役者としての才能」が問われる――離婚裁判の流れ4

執筆者:藤沢数希 2013年10月26日
カテゴリ: 社会 カルチャー

 さて、ここまでは双方の弁護士と裁判官で話が進んできており、原告も被告も裁判所に行くことは和解交渉のとき以外はないのだが、尋問は本人が行かないといけない。尋問されるのは相手を訴えている原告、訴えられている被告、そして第三者が証拠についてなんらかの証言をしてくれるならさらに証人が加わる。 裁判官は法廷の奥の一段高いところから我々を見下ろしている。裁判官の前には書記官や見習いの裁判官などが数人座っている。そして、法廷の右と左に、それぞれ原告とその弁護士、被告とその弁護士に分かれて座っている。証言をする人が真ん中の席に行き、そこで嘘偽りを決して言わないことを宣誓させられたあとに、質問に答えていくのである。ここまでの様子はドラマの中で出てくる裁判と同じである。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top