バリ島の爆弾テロ事件は、イスラム過激派「ジェマ・イスラミア(JI)」の関与が濃厚だ。インドネシア政府はJI犯行説を主張している。JIは東南アジアにおけるアル・カエダ系の広域テロ組織。計画性、組織性、同時多発性は、アル・カエダ系テロ組織に共通の特色だ。 なぜバリ島を狙ったのか。インドネシアを代表するリゾート地も、イスラム過激派から見れば欧米の退廃した文化の象徴に過ぎない。インドネシアでイスラム国家を実現するために、JIは昨年就任したユドヨノ大統領を揺さぶる。ユドヨノは米国留学経験もあり米国とのパイプが太いことで有名だ。インドネシアの安定と繁栄のシンボルであるからこそ、バリ島をJIは再び標的にしたと考えてよい。
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