「普天間問題」解決のチャンスは今しかない

執筆者:渡部恒雄 2005年11月号
エリア: アジア

米軍の世界的なトランスフォーメーションの中で、日本の“価値”はかつてなく高まっている。この好機を生かせるかは「政治の意思決定」次第だ。 衆議院解散から間もない八月中旬、米国防総省のローレス副次官とヒル上級日本部長が急遽来日した。両氏は在日米軍再編協議の米側担当責任者だ。九月に予定された同協議の中間報告が総選挙の煽りで延期確実となり、日本側の政府担当者と政治家を訪問して今後の対応を協議することが、この慌ただしい来日の目的だった。 在日米軍再編は三つの段階に分けられる。今年二月の日米安保協議委員会(2+2)で共通戦略目標の合意という第一段階はクリアされた。しかし第二段階にあたる米軍と自衛隊の役割・任務の分担、そして第三段階の在日米軍基地再編・再配置への道のりは、依然として暗中模索が続いている。

カテゴリ: 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
渡部恒雄(わたなべつねお) わたなべ・つねお 笹川平和財団上席研究員。1963年生まれ。東北大学歯学部卒業後、歯科医師を経て米ニュースクール大学で政治学修士課程修了。1996年より米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員、2003年3月より同上級研究員として、日本の政治と政策、日米関係、アジアの安全保障の研究に携わる。2005年に帰国し、三井物産戦略研究所を経て2009年4月より東京財団政策研究ディレクター兼上席研究員。2016年10月に笹川平和財団に転じ、2017年10月より現職。著書に『大国の暴走』(共著)、『「今のアメリカ」がわかる本』、『2021年以後の世界秩序 ー国際情勢を読む20のアングルー』など。最新刊に『防衛外交とは何か: 平時における軍事力の役割』(共著)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top