ギリシャなどの債務危機に直面した欧州では今、銀行の国債保有を制限すべきだ、という議論が急速に盛り上がっている。国債をリスクゼロとしている現在の資本規制が、銀行に過度な国債保有を許し、金融危機をもたらしかねないというのだ。国債が社債などと同様にリスクに見合った資本確保を求められれば、銀行が国債保有を見直さざるを得なくなる。資本規制ルールの見直しは、大量に国債を抱える日本の銀行にとっても無関係の話ではない。銀行が保有する資産のリスクを真剣に考える時なのだが、株式保有の制限すら真面目に議論できていない。世界大恐慌の教訓にも学ばない80年遅れの銀行規制が、日本の金融システムを脆弱にしている。
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