ドイツ史上初の女性宰相、アンゲラ・メルケル・キリスト教民主同盟党首(51)は、「ドイツ版鉄の女」の異名と裏腹に、「地味で退屈な女性」といわれる。 牧師の娘で、物理学者として東ベルリンの研究所に勤務した。ベルリンの壁崩壊後、市民政党の報道官を務めていた時、ドイツ統一の父・コール元首相の目に留まって政界入り。「コールの娘」と呼ばれる。子供はおらず、再婚した物理学者の夫との二人暮らし。社民党との「大連立」では、主要閣僚ポストを社民党に奪われ、「権力なき女王」(週刊誌シュテルン)になりかねない。520万人という戦後最悪の失業者、欧州で最低レベルの成長率、東西の経済格差など前途は多難だ。

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