尖閣問題をめぐる米国の誤解(下)尖閣国有化と米国の対応

執筆者:武内宏樹 2014年1月10日
エリア: 北米 アジア

 前回に引き続いて、ニューヨーク・タイムズに掲載されたニコラス・クリストフ氏による日中関係の記事(http://www.nytimes.com/2013/12/05/opinion/kristof-todays-hatfields-and-mccoys.html?ref=nicholasdkristof&_r=1&)にある見解を基にして、尖閣問題をめぐって米国で見られる事実誤認、誤解の2つ目の議論を試みる。

 クリストフ氏は次のように述べている。「日本政府は昨年(2012年)、中国と米国の双方が強く反対していたにもかかわらず、尖閣諸島を個人所有者から買い上げて国有化するという間違いを犯した」というものである。ここで問題にしたいのは「中国と米国の双方が強く反対していた」というくだりである。このくだりだけを読むと、米国が中国の側に立って同じ理由で反対していたように理解されてしまうだろう。しかし、これは事実と異なるのである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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