饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏 (97)

フランス大使が奔走した日光「クローデル記念館」構想

執筆者:西川恵 2006年2月号
エリア: ヨーロッパ

 フランスのベルナール・ド・モンフェラン駐日大使(六〇)が一月四日、三年余の任期を終え離任した。しかし成田空港から大使が向かったのはパリではなくウラジオストクだった。シベリア鉄道でパリに戻ろうというのである。 この遠回りの帰任には理由がある。二〇〇五年末、大使とインタビューした際、大使は私にこう語った。「シベリア鉄道の旅は幼いときからの夢でね。妻はそんな長旅はいやだというので気楽な一人旅だ。本をしっかり買い込んだから、これを読みながらのんびり帰るよ」。モスクワからは空路だが、それでもモスクワまで六日半の旅だ。

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執筆者プロフィール
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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