郵政民営化の成功が至上命題なのは論を俟たないが、日本郵政・西川社長にはいささか“暴走”が目立つ。「塩を送れ」とまで要求されたメガバンクや地銀は、郵貯銀行との競合に備え、いかなる対策を練っているのか。 その瞬間、三井住友銀行の奥正之頭取は思わず耳を疑った。「優秀な人材が必要だ。部長、次長クラスを四人出してくれないか」 電話の主は“かつてのボス”。現在は「日本郵政株式会社」の社長を務める西川善文氏だった。日本郵政は二〇〇七年十月の郵政民営化に先がけて設立された準備企画会社で、来年十月に始動する四つの事業会社(郵便貯金銀行、郵便保険会社、郵便局会社、郵便事業会社)の持株会社、つまり司令塔である。
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