中国権力闘争の“標的”となった二人の大物

執筆者:藤田洋毅 2006年7月号
タグ: 中国 香港 台湾
エリア: アジア

江沢民とその一派を完全に守勢に立たせた胡錦濤は、江のかつての懐刀・曾慶紅と結び、ついに連邦制への第一歩を踏み出した。「一日も早くマルクスに会いに行くべきです。本人のためはもちろん、なによりわが党のために」――六月五日、四カ月半ぶりに公式活動に参加した黄菊筆頭副首相(政治局常務委員)の姿を伝える中央テレビ局のニュースを横目に、中国共産党中央の中堅幹部は冷たく言い放った。江沢民前総書記の最側近として序列六位へ上り詰めながら、一時は危篤説も流れた黄の復活だ。最高指導部内の力関係にいかなる影響を与えるのかと問うと、幹部は「流れは変わらない。胡錦濤総書記は、来秋に予定する第十七回党大会に向けますます自信を深めている」と明言した。

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