イラク内戦に介入するイランが米国に囁く「協力」

執筆者:池内恵 2014年6月15日
エリア: 中東

 6月10日にイラク北部モースルを制圧したISIS(イラクとシャームのイスラーム国家)は南下してバグダードに向かった。これに対してマーリキー首相は13日にサーマッラーを訪問して軍・部隊にテコ入れした。同日の金曜礼拝ではイラクのシーア派宗教指導者の最高権威シスターニー師の声明が読み上げられ、シーア派信徒に祖国防衛のための義勇兵として参集するよう呼びかけた。サーマッラーに配置されたイラク国軍部隊はISISの襲撃予告を受けて多くが離脱してしまったようだが、マーリキー政権支持派の民兵組織やシーア派義勇兵を動員してISISの攻勢を食い止めているようだ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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