安倍晋三首相と菅義偉官房長官の完全な作戦勝ちだった。2014年12月の総選挙の結果は、どんなコメントを付そうにも、自民党の圧勝であることに変わりはない。2015年は難問の地雷原を匍匐(ほふく)前進せざるを得ない安倍政権は、圧勝で充電した「政治的資本」をどう活用するかが、試されることになる。
エコノミストの本音
屋上屋を重ねる説明は避けよう。総選挙で問われたテーマは、経済の立て直しを措いてほかにない。14年4月の消費税増税を機に消費がもたつき、日本の実質国内総生産(GDP)は2四半期連続でマイナス成長になっている。米国流の定義でいえば、リセッション(景気後退)である。安倍首相は胸を張って、経済再生を言える立場にはなかった。

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