【インタビュー】小柴昌俊(東京大学特別栄誉教授) 記憶力をフルに使わせてやる それが「教育の愛情」だ
一九八七年二月、十六万光年の彼方にある超新星(壊れる寸前の星の大爆発)が放った素粒子ニュートリノを、当時本格稼働からわずか二カ月だった岐阜県の神岡鉱山を使った地下実験施設「カミオカンデ」が世界で初めて観測した。 カミオカンデを考案し、実現した小柴昌俊東京大学特別栄誉教授は二〇〇二年、これら天文物理学の分野での優れた功績が認められてノーベル物理学賞を受賞した。 八十歳の今も、週に二回は東大素粒子物理国際研究センターに通って後進の指導にあたる小柴教授は、ノーベル賞の賞金や本の印税をつぎ込んで自ら設立した平成基礎科学財団にも週二回通って、基礎科学研究推進のための様々な事業の工夫に余念がない。
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