中東―危機の震源を読む
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安倍中東歴訪で考える「日本の活路」の見出し方
安倍首相は四月二十六、二十七日の訪米の後、二十八日から五月二日にかけて湾岸諸国とエジプトを歴訪した。五日間をかけ、百七十人を超える財界使節団を随行させて、湾岸協力会議(GCC)六カ国のうち四カ国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール)とエジプトを巡った今回の訪問は、それ自体で何か大きな変化をもたらすような、目覚しい成果を挙げたわけではない。しかし今後の動き次第では、日本が中東に積極的に関与する重要なステップとして評価されることになるかもしれない。あくまでも今後の更なる努力次第、という点は強調される必要があるが、せっかくの萌芽的な努力を、一概に退けてしまってはならないだろう。

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