フランスの大統領が74歳の老獪なジャック・シラク氏から団塊を一気に飛び越えて52歳のニコラ・サルコジ氏に代わった。 父はハンガリー移民、母はギリシャ系ユダヤ人という変り種。苦学して弁護士となり、頂点に上り詰めただけに、スローガンは「能力のある者が稼げる社会」。暴動を起こした移民を「社会のくず」とこき下ろした。「わたしは米国の友人だ」と公言する親米派で、早くも「ブレア英首相に代わるブッシュ大統領の新しいプードル」と揶揄されている。 停滞する社会・経済に競争原理を導入しなければ、米英主導のグローバリゼーションに取り残されるという危機感が有権者に働いたようだ。だが、伝統的に闘いに弱いこの国で、「強いフランス」の実現は難しい課題となる。

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