中越沖地震で原発本体が壊れなかったのはおそらく「安全率」の勝利だろう。だが、その詳細を公開してはじめて、今後の被害防止に役立てることができる。 地震は時に多くの犠牲者を生む。しかしそうした中にあっても、まだしも「運が味方した」と思える点もある。 一九九五年の阪神・淡路大震災の発生時刻が早朝ではなく昼の十二時だったら、一層の惨劇を招いていたはずだ。二〇〇四年の中越地震に遭遇した上越新幹線は強運だった。想定外のことだったが、脱線した先頭車の車体が排雪溝にはまり、滑走しながら停止できた。一九九八年のドイツの新幹線ICEの事故のように、どこかに当たって先頭車から順番に折り重なるように脱線していたら、乗客百五十四名の命は危なかった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン