饗宴外交の舞台裏 (121)

天皇誕生日レセプションで各国大使を驚かせた「日本ワイン」

執筆者:西川恵 2008年2月号
エリア: アジア

 世界各国にある日本の在外公館にとって、毎年十二月に開く天皇誕生日レセプションは、いわゆるナショナルデーの祝賀行事で外交上重要なイベントである。そのレセプションで昨年、幾つかの日本大使公邸で日本産ワインが初めて出され、大きな評判を呼んだ。 日本産ワインを出したのはカンボジア、マレーシア、ラオスの東南アジア三カ国、そしてコンゴ、ガボンのアフリカ二カ国にある日本大使公邸。外務省が試験的に実施したもので、一昨年の国産ワインコンクールで入賞した中から三種類が選ばれた。 甲州シュールリー05年(白)、グラン・ポレール長野古里ぶどう園シャルドネ05年(白)、それにソラリス信州千曲川産メルロー03年(赤)。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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