中東―危機の震源を読む
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海底ケーブル切断が示した「帝国の通信ルート」の要衝
[アレクサンドリア発]一月末、中国で大雪が降ったころ、中東の気象も大荒れだった。パレスチナでも雪が積もり、東地中海の南岸一帯は強い風と雨に晒された。エジプトのノーベル文学賞作家ナギーブ・マフフーズが、アレクサンドリアを舞台にした小説『ミラマール』でこの街を「雫の女王」と形容したように、冬季はエジプトにしては雨がちである。しかしそれにしても今年は例外的で、一月末は連日の激しい強風・雷雨に襲われた。滞在先のホテル前の広場でも、ケンタッキーフライドチキンの巨大な看板が落ち、電柱が折れてタクシーを直撃し、大破させた。
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