昨年四月、新銀行東京に入行した九人の新入社員たちは、一年も経たないうちに厳しい現実に直面した。就職先が開業から三年にして債務超過の危機に直面し、筆頭株主からの追加出資にすがる事態に追い込まれたのである。 新銀行の圧倒的な大株主は東京都。経営危機を目前にしての新規採用も罪つくりだが、都民全体に対する罪は輪をかけて大きい。都税を使った資本金一千億円(全体の八五%)を二〇〇七年九月中間期までにほぼ食い潰したうえ、さらに四百億円もの都税を注ぎ込もうというのだから。その追加出資にしても、国内外の金融機関に打診した出資交渉が不調に終わったための窮余の一策だ。
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