饗宴外交の舞台裏 (123)

カーラ夫人に期待される“早メシ大統領”の指南役

執筆者:西川恵 2008年4月号
エリア: ヨーロッパ

 カーラ・ブルーニさんにエリゼ宮(フランス大統領官邸)のカテリーナ・デ・メディチとなって欲しい――。イタリア人の元スーパーモデルで歌手のカーラさん(四〇)とサルコジ仏大統領(五三)の結婚で、フランスの人々の思いを忖度するならこういうことになるだろう。 カテリーナ・デ・メディチ(一五一九―八九)は十四歳でイタリア・フィレンツェのメディチ家からフランスのオルレアン公アンリ・ド・ヴァロワ(のちのフランス王、アンリ二世)に嫁ぎ、芸術、料理、社交など、イタリアの洗練された文化をフランスにもたらし、フランス発展の基礎を作った。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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