一昔前、外務省には「大使にとって大事なのは、第一に料理人、第二に席順、第三に夫人」というジョークがあった。外交活動にとって公邸の招宴がいかに重要かだが、これも夫人がいてこそである。 内田真美子さんは外交官だった夫の故勝久氏と約四十年間、連れ添った。「引退した今、外国での生活と人との交流が、人生に大きな膨らみを与えてくれていると感じます」と振り返る。 勝久氏は一九六一年に外務省に入省。二〇〇五年に交流協会台北事務所長(駐台湾大使に相当)を退くまで七カ国に在勤。駐イスラエル、シンガポール、カナダの大使も務めた。

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