饗宴外交の舞台裏 (126)

外交の一端を支え続けたある大使夫人の思い

執筆者:西川恵 2008年7月号
エリア: アジア

 一昔前、外務省には「大使にとって大事なのは、第一に料理人、第二に席順、第三に夫人」というジョークがあった。外交活動にとって公邸の招宴がいかに重要かだが、これも夫人がいてこそである。 内田真美子さんは外交官だった夫の故勝久氏と約四十年間、連れ添った。「引退した今、外国での生活と人との交流が、人生に大きな膨らみを与えてくれていると感じます」と振り返る。 勝久氏は一九六一年に外務省に入省。二〇〇五年に交流協会台北事務所長(駐台湾大使に相当)を退くまで七カ国に在勤。駐イスラエル、シンガポール、カナダの大使も務めた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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