「ミニ・ソ連」樹立へロシアの野心が膨らむ

原油高のおかげで力を回復したロシアが“領土奪還”を窺っている。グルジア内の二地域ばかりか、ベラルーシから、さらに――。 八月にロシア軍によって占領されたグルジア中部の町ゴリを四年前に訪ねたことがある。首都トビリシから八十キロ。十二世紀にアルメニア人が作った人口五万の古い町で、オセチア系住民も多く、カフカス地方の人種の坩堝といった雰囲気だ。近隣の紛争地、南オセチア自治州から民兵が侵入し治安が悪いと、当時から住民が話していた。 ゴリは旧ソ連の独裁者スターリンの出身地。市内にはスターリンの小さな生家が保存され、立派なスターリン博物館やスターリン像があった。本名ヨシフ・ジュガシビリことスターリンは、この町では今も偉大な英雄である。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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