国内有力「五大学」が乗り出した日米研究シンクタンク設立が難渋

執筆者: 2008年11月号
タグ: 中国 日本
エリア: 北米 アジア

 台頭著しい中国の陰で、小さくなる一方の日本の存在感。これを懸念する国内の大学の“雄”たちが集まり、米ワシントンにNPO法人「日米研究センター(仮称)」を設立しようという構想が動いている。 発起人は、早稲田大学の白井克彦総長を代表に、東京、京都、慶応、立命館の各大学総長と、柳井俊二・元駐米大使の計六人。設立趣意書によると、設立基金二十億円、年間の予算規模は三億円で、現在、財界などに寄付を募っているのだが――。「日米両国の地位が低下し、中国の地位が相対的に上がる中で、日米関係を世界とアジアの中で位置づけ、米中関係との比較で研究する」「日米双方の専門家が学術的基盤で実践的研究をする」ことなどを目標に掲げ、シンクタンク的な役割を果たそうという新組織。しかし、この十月の発足を目指してきたというのに、まだその片鱗も見せていない。バブル期には研究機関に巨額の寄付を続けた日本企業も、現在は米国内の既存のシンクタンクへの寄付も削減傾向にある。金融危機が与える影響も計り知れず、資金集めは難航しているようだ。

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