今年のバンクーバー五輪で、日本のメダル獲得が有力視されている種目がある。 ノルディック複合である。 前半はジャンプ、後半はジャンプの点数をタイム差に置き換えてスタートするクロスカントリー(距離競技)によって争われるのが複合競技だ。 一九九〇年代、日本は荻原健司、河野孝典ら才能ある選手を擁して、団体では九二年のアルベールビル、九四年のリレハンメル五輪の両大会を連覇した。 この金メダルは日本の戦略勝ちと言えた。ジャンプで大量にリードし、クロスカントリーではそのまま逃げ切ってしまおうという作戦である。これが当たった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン