昨年末に日本で押収された北朝鮮産とみられる覚醒剤が、米国から提供された重油を原料としているらしいことが判明した。米連邦捜査局(FBI)と日本の警察当局が共同で調査している。
覚醒剤の原料は通常、エフェドリンだが、重油からも質の劣る覚醒剤の製造は可能。米国は北朝鮮の核開発を凍結させた九四年の米朝核合意に沿って、年間五十万トンの重油提供を強いられており、この重油が覚醒剤製造に使用されているとすれば、米議会が猛反発するのは必至だ。
北朝鮮にとって重油の必要量は年間二十―三十万トンとされ、余剰重油は穴を掘って貯蔵しているといわれていた。だが覚醒剤製造に利用すれば、日本への密売で多額の資金を調達できる。従来、日本への覚醒剤は韓国製が大半だったが、現在は北朝鮮製が半分以上を占めるという。
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