北朝鮮・金正日総書記の二度目の訪中に隠されたキーワードは「米国」だった。ブッシュ新政権が対中関係見直しを図る中、江沢民主権はいかなる米中関係を構築しようとしているのか。[北京発]北京はこの冬、雪の日が多かった。二月上旬までに八回も降り、平常湿度二〇%ほどに乾燥しきる北京には珍しい冬だ。春節(旧暦の正月、今年の元日は一月二十四日)前後の雪は「瑞雪」といい、害虫を殺し豊作をもたらすと信じられている。その春節を前にした一月十五日、北朝鮮の金正日労働党総書記の専用列車がひそかに中国入りし、北京を通過、上海に向かった。一切公式確認がとれないまま、数日間、間接情報に振り回され続けた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン